大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)372 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人の上告趣意について。

論旨中には、被告人は原審において弁護人を選任するため公判の続行を求めたが

許されず、弁護人を選任する十分な機会もなく弁護人のないままで弁論を終結され

たのは憲法に違反するとの主張があるが、記録によると、被告人は本件につき原審

に控訴を申立てた後保釈によつて釈放されていたのであるからその機会に弁護人を

選任することは十分にできた筈である。のみならず、被告人は原審において裁判所

に対し国選弁護人を附することを請求もせず、また被告人自ら弁護人を選任するた

めに公判期日の延期を求めたり証拠調の申請をした形跡は全くない。そして、憲法

三四条前段及び同法三七条三項前段所定の弁護人に依頼する権利は被告人が自ら行

使すべきもので裁判所は被告人にこの権利を行使する機会を与えその行使を妨げな

ければいいのであつて、弁護人に依頼する方法及びその費用等についてまで被告人

に説示する必要のないことは、当裁判所大法廷判決の示すとおりである(昭和二四

年(れ)第二三八号同年一一月三〇日判決)。

されば、原審の手続が所論のように憲法に違反するものでないことは右判例の趣

旨に徴し明らかである。論旨中のその他の主張は刑訴四〇五条所定の事由ではない

から上告の適法な理由ではない。

よつて、刑訴施行法三条の二刑訴四〇八条に従い裁判官全員の一致した意見によ

り主文のとおり判決する。

昭和二六年八月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

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裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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